【土地選び】子どもの小学校までの最適な距離は? 元教師が解説

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子どもが生まれ一段落。次はそろそろマイホームが欲しい!! 小学校入学後に子どもが転校するのを避けるため、小学校入学前にマイホームを検討する人は多いのではないでしょうか?

実際ぼくもその一人でした。やっぱりできることなら、子どもを転校させたくありませんよね。子どもに精神的な負担をかけたくないからです。

ですが、実際に家を建てるとなると様々な条件をみていかなければなりません。土地の広さ周りの環境日当たり価格…そしてその中に「小学校までの距離」が含まれると思います。

土地を決めるうえで、優先順位としてはそこまで高く考えない人も多いかもしれませんが、ぼくたちは結構重要視しました。まぁ自分が教師をしていたので、結構見えてくるんですよ。

学校からの距離によって起こりうるメリット、デメリットが…。子どもが6年間そこを通って学校に通いますので土地を購入する前に一度「小学校までの距離」についても考えてみてください。

莫大なお金があれば、全てが叶う土地を購入することができるかもしれませんが、そんな人はごくわずかでしょう。今回は、「小学校までの距離はどれぐらいが適切か」を教師の目線からお伝えしていきたいと思います。

絶対とは言い切れませんが、通学時間によって傾向が見られましたので今から土地をご検討のみなさんは、ぜひ参考にしてみてください。

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ベストな距離は一体どれぐらい?

ズバリ家から学校までのベストの距離は、約1km15分ほどで通学できる距離が適切だとぼくは考えています。

理由は5つあります。順に説明していきたいと思います。

①適度に鍛えられる

毎日の通学時間は、運動の時間と捉えることもできます。インドアな子どもにとってはなおさら大切な時間となります。子どもに負担のかかりすぎない15分ほどのウオーキングはいい運動になります。

イメージとしては、お父さんが運動不足解消のために会社まで歩いて行くといった感じですかね。

最近の子どもは、本当に体を動かす機会が減ってきています。帰っても習いごと、遊びはゲーム中心、休み時間も夏場は暑すぎて外に出ない…。そりゃあ昔の子どもに比べれば筋力は劣ってきますよね。

ですから、通学の時間に半ば強制的に歩くということは身体を鍛えるという面でいい機会になるのです。

学校に着くまでに、ある程度体を動かしておくと血流が良くなり脳にもいい影響を与えることができます。

②友達と会話ができる

一緒に登下校する友達がいると、15分もあれば十分会話ができます。学校の中だけでなく、登下校でもコミュニケーションをとることができると必然的に仲がよくなり、いい友達関係を築くことができるからです。

実際に仲のいい友達同士は、帰る方向が同じか、家が近いことが多かったように思います。

帰る時間が近づくと
「今日一緒に帰ろう」
「うん、いいよ~」
といった会話を子どもたちはよくしています。

簡単ですがコミュニケーションのひとつですよね。子どもには、友達と約束する経験も非常に大切です。家が近すぎると、なかなかこれができません。

③登校の時間が早い

これは、ぼくが持っていた子どもの傾向ですが、家がある程度の距離の子どもは早い時間帯に登校してきます。遅れないように早く起きていることと、適度の距離なので通学にそこまで時間がかからないことから早く登校できるのだと思われます。

ちなみに次に早く来るのは、家が遠い子どもです。

理由は、通学に時間がかかるので遅れないように早く家を出るんでしょうね。ただ通学時間が長いので登校する時刻が少し遅いと思います。

遅刻寸前ギリギリは、実は家が一番近い子どもです。

近すぎると、「まだ大丈夫、間に合う」という感覚になりギリギリまで出発しません。そして起床時刻が遅いです。理由を聞くと、ほぼ違いなく「だって間に合うから」と言われました。

まぁ確かにそうだけど、家近いから早く来てみんなと遊べばいいのに…とよく思いました。

親としては、せっかくですので早めに登校して元気に遊んだり、友達とおしゃべりしたりしてほしいですよね。それができやすいのが、15分ぐらいの距離だと考えられます。

④一緒にかえる子どもがいる

こちらはコミュニケーションの点ではなく、不審者の点からです。やはり一人ぼっちになると不審者に狙われやすいです。

最近は防犯ブザーや見守り携帯を持っている子どもが多くなってきましたが、それでもやはり一人で帰るとなると心配になると思います。学校でも実際、なるべく一人で帰らないように同じ方向の友達と家の近くまでまとまって帰るように指導はしていました。

学校としても登下校の事件や事故は心配の一つだからです。

15分程度の距離であれば、同じ方向にかえる子ども、さらに遠いところまで帰る子どもがいるので一人ぼっちになる可能性は低いです。ですから、安全面においても適切な距離といえるでしょう。

⑤道草ができる

毎日道草がいいとは言えませんが、子どもは登下校中にも色んな発見をしています。どこかの家の花が咲いたとか、どこどこの家の犬が可愛いなど、色んなところを見ています。

こういう経験って案外大切で、この積み重ねが人の表情の変化を読み取ることにつながったり、視野を広く持てるようになったりすることができるようになります。

15分も歩いていれば、何かしらの発見があると思いますので、勉強以外の面での学習といった点でも適度な距離といえます。

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距離が遠いと考えられること

距離が遠くなると毎日歩く時間が長くなりますので、その分体も強くなります。そう考えると健康面ではメリットがあるといえるでしょう。

しかし、大変な面も多いです。2km以上になると低学年のうちはランドセルを背負って登下校するだけでも大変ですし、雨の日や風の強い日は子どもに負担が大きくなります

もちろん学校から離れれば、土地の価格は少し安くなってくることが多いですし、小学校は6年間と割り切ることができるのであればよいかと思います。遠い場合のデメリットを2つ紹介します。

送迎の可能性

教師をやっていて、遠いところに住んでいる子どもで多かったのは送迎問題です。大きく分けて2パターンありました。

一つ目は、塾や習い事を始めて学校が終わって歩いて帰ってきていたのでは間に合わないので毎回お母さんが迎えにくるパターンです。

距離があるので物理的に無理があるんですよね。でも習い事は、したい!! させたい!! 懇談でそんなお母さんと話したことがあるのですが、
「習い事の日はパート早く帰って、迎えに行かなあかんから大変やわ~」
と言っていました。

もう一つは、朝寝坊がちで歩いていくと遅刻するのでお母さんが送ってくるパターンです。こっちは最悪です。負のループにはまっているといえます。

朝起きるのが遅い

歩いて行くと間に合わない

仕方ないから学校まで送る

送ってもらえるから改善しようとしない

このループです。これは子どもにとっていい影響は一つもありません。親も大変ですしね。

いずれにしても子どもだけではなく親にも負担がかかってくるかもしれませんので、そういったことも頭に入れながら土地を選ぶ必要があると思います。

不審者や事故

距離が遠くて怖いのは、この2つです。不審者事故です。歩く距離が長くなると、どうしても遭遇率が高くなってしまいます。

特に心配なのは不審者ですよね。遠くに住んでいる子どもは、どうしても最終的に一人で帰ることになります。心配ですよね。よくあることなのですが、夕方暗くなって学校に電話がかかってきます。

「先生、うちの子まだ帰ってきていないんですけど…」

たいていの場合、一旦帰らず友達の家で遊んでいることが多いのですが、先生たちは総動員で校区を探し回ります。

このとき家がある程度近ければ、捜索範囲が絞られるんです。学校と家までの間にいることがほぼ100%だからです。逆に家が遠くなると、捜索範囲が広くなり見つけにくくなります。

もしものことがあっては困るのですが、万が一の場合、初期の捜索範囲が狭いことは非常に有効だと思います。

なるべく一人で帰らないようにする、安全な通学路を通るなど何かしらの対策を立てておく必要はあると思います。
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距離が近いと考えられること

距離が近ければ、安心感は高いでしょう。最大のメリットは、時間の問題や安全面で心配することが少ないことです。

しかし距離が短い分、体力作りとしては期待できません。友達とのコミュニケーションについても考える必要がありますので、そのあたりも考慮しておくといいと思います。

友達との関係

登下校は、友達とコミュニケーションをとることのできる重要な時間です。学校からの距離が近すぎると、その時間を確保することができません。

もともと社交的で、学校でもたくさんの友達と話す子どもなら大丈夫だと思いますが、おとなしい子どもの場合は、友達作りに苦労する可能性もあります。

「家が近くて遊びに行く時間はいっぱいあるのに、うちの子ずっと家にいるんです。先生どうおもいますか?」

と心配されるお母さんに何人も出会ってきました。積極的に遊びに行く機会を作ってあげたり、家に友達を呼んでもいいようにしてあげることが大切だと思います。

我が子の特性を理解して、友だちとコミュニケーションがとれているか確認してあげましょう。

たまり場になる可能性

学校からの距離が近いと、子どものたまり場になる可能性が高いです。なぜなら学校は、子どもの集合場所として非常に分かりやすいからです。

これはもうかなりの高確率です。学校から見える家の前には、ほぼいつも子どもの自転車が止まっていましたね。子どもが社交的な場合、ほぼ100%子どもの遊び場になると言えます。

もちろん、たくさんの子どもが来ることをウェルカムとしているなら構わないと思いますが、共働きなどで家を空ける機会が多い家庭は少し不安があると思います。そのあたりは、子どもとしっかり話をしておく必要があるでしょう。

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通学において大切なポイント

通学の距離は、約1km15分程度とお伝えしましたが、他にも気をつけておきたいポイントがあります。この条件に当てはまれば、どんな土地でも購入して良いとは言い切れないからです。

どういった部分に気をつけるべきか、解説していきたいと思います。購入前には次の2つは必ず確認しておきたいポイントといえるでしょう。

通学の環境

どういった通学路で学校にいけるかです。朝の時間帯、車の抜け道になるような道路が通学路になっている場合は要注意です。事故に遭う確率が上がってしまうからです。

また、狭い路地ばかりを通る通学路もオススメできません。不審者が潜みやすい環境だからです。

重要なことは、親が一緒に通学路を考えることです。その土地に家を建てればどういった通学路になるのか? 契約する前に子どもと一緒に小学校まで歩いてみましょう。

チェックポイントは

  • 朝夕の交通量
  • 歩道があるかどうか
  • 道を渡る場合、横断歩道や歩道橋はあるか
  • 不審者が隠れやすそうな場所が多くないか

です。

6年間通う道になりますので、通学路が安全かどうかは非常に重要なポイントとなります。

一緒に行く友達

一緒に行く友達がいるかどうかもチェックしておきたいポイントです。同学年の友達がいるなら、コミュニケーションという点でなおさらいいと思います。

しかし、新興住宅地や知らない土地だと判断がつきづらいと思います。そういったときは、不動産会社に聞いたり、軒先に置いてある子ども用の自転車や1年生が育てる朝顔の植木鉢を目安にしたりしましょう

一緒の小学校に通う子どもが近くにいるというだけで、不審者の被害に遭う確率はぐっと下げることができます。
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まとめ

家を建てるときに、子どもの通学を上位に考えるのであれば、小学校まで約1km、15分程度の徒歩時間を目安にするとよいでしょう。

広さや値段も大切ですが、家よりも子どもの方がはるかに大切なはずです。「小学校までの距離」は見落とされがちですが、大切なファクターだと思いますので土地を購入されるときは、頭に入れておいてくださいね。

 

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