一年生の最初の難関といってもいいでしょう、たし算。6月ごろに学習すると思います。
大人になって1年生のたし算ができなくて困っている人はほとんどないと思いますが、この時期に習得できているかどうかで、後々の学習の理解度に大きく影響を及ぼしてきます。それほど重要です。ですから10時間ほどかけて、学習を進めていきます。
お子さんがしっかり理解しているかどうか、よく確かめてあげるべきでしょう。学校で使っているノートや宿題をみてあげて、学力を把握してあげましょう。
どんな単元なのか?
たし算といってもここで学習するのは、「繰り上がりのないたし算」です。しかも一桁同士のたし算ですので、ゆっくりと順を追って学習に取り組めば理解することができるでしょう。
たし算を使う場面としては、日常では2種類あります。「増加」と「合併」です。
「増加」というのは、「増える」ときです。
例えば、
という場面です。
「合併」というのは、「合わせる」ときです。
例えば、
という場面です。
式に表せば両方とも「5+3=8」ですが、2パターンの意味があることを押さえることを重要に考えています。
形式的な計算方法だけを学ぶのではなく、ブロックや言葉や図を使って考えたり、表したりすることができるようになることも大切な単元です。
また、0のたし算についての意味も同時に学習します。最終的には、計算カードによる計算練習も行っていきます。
この単元で達成したいこと
重要な単元ですので、達成したいことは4つあります。
たし算の用いられる場面について理解する
問題に出されるお話が「たし算」だということを理解できるようになることです。
大切なことは、”あわせていくつでしょう?”や”全部でいくつでしょう?”などの、「合わせて」や「全部で」の言葉に着目しておくことです。これらの言葉は「足し算言葉」としてお話づくりや問題を読むように気をつけておけば大丈夫でしょう。
式を立てたり、式をよんだりすることができる
自分で式が立てられるか、書かれている式がよめるかです。
「たす」や「わ」という言葉は初めて知りますので、それをしっかり使えているか、またよめているかをチェックしてあげましょう。
これは慣れていけば必ずできるようになると思いますので、苦手なお子さんには数をこなしてあげることが大切となってきます。
繰り上がりのないたし算が確実にできる
計算ができるかどうかです。
計算力も非常に重要ですので、自分で計算ができているかどうかをしっかり確認してあげてください。もちろん始めは、指やブロックを使っていても大丈夫です。何度も練習することが大切です。
後述しますが、学校では算数ブロックを用いて教えますので、おうちにも一つ用意しておいてあげると学習しやすいと思います。
0のたし算の意味を理解する
「たす0」というのは、いったいどういう意味があるのかを理解することです。
「たす0」というのは答えとしては変わりませんが、意味があります。
たとえば、
などの問題です。4+0=4ですが、たす0には「やったけども0点だった」という意味があります。それを理解するということです。
おそらく、しっかり回答できる子どもは少ないと思いますので、改めて押さえておきたいポイントになります。
この勉強がどうつながっていくか
≪重要度★★★★≫(MAXは★5つ)
これからの算数の学習に大きくつながっていく単元ですので非常に重要!! ★4つです。ただし初めてのたし算ですので、そこまで難しくないといえます。
このあとの「ひき算」にもつながりますし、2学期に勉強する「10より大きい数」や「繰り上がりありのたし算」にもつながります。
もちろんここでつまずけば、2年生での「たし算の筆算」でも苦労するでしょう。
学年が上がるにつれて位も大きくなっていきますので、そういった意味では非常につながりの大きい単元です。
学校での教え方
学校では「増加」から学習していきます。お話を通して、たし算につなげていきます。ここでも登場するのが、「算数ブロック」です。
「増加」の問題の場合
先ほど紹介した問題だと、ブロックをあめに見立てて、まず5つ用意します。そこへお母さんがくれるあめ(ブロック)を、3つ合わせるという作業をします。
そのとき片手で「カチャ」という擬音と共に合わせるようにします。この「カチャ」はもともとあったところへ増加したという意味を表します。
「合併」の問題の場合
ブロックで5と3のかたまりを用意して、両手を使って「ガッチャン」の擬音と共に合わせます。これは合わせたという意味を表しています。
「カチャ」と「ガッチャン」を使い分けて、「たし算には増加と合併があるんだよ」ということを何度も確かめて教えられるようにしているのです。ブロックを使うこと、擬音を使うことは苦手な子どもにはとても効果的です。
計算力もつけていきますが、最近は自分の考えを伝える能力を育成することが求められています。ですからブロックや絵や図を用いて説明ができるように練習したり、式を見てお話を作って紹介したりして、この単元の学習を深めていきます。
計算の時間は、昔の小学校ほどたっぷりありませんので、しっかり計算することができるようになるには宿題や家庭学習で確認することが必要であるといえます。
おうちでの教え方
大人にしてみれば簡単な計算ですが、数字のみが書かれた計算式を答えるのは1年生にとっては非常に難しいです。数字が苦手な子どもにとってはなおさらです。
ですから順を追って教えてあげることが大切です。
一番いいのは、学校と同じ教え方です。教え方が学校と家で異なっていると子どもが混乱するからです。ノートや教科書を参考にして、なるべく同じように教えてあげましょう。
算数ブロックは、おそらくどの学校でも使って指導していると思いますので、おうちでも同じものを使ってあげると分かりやすいでしょう。
「カチャ」や「ガッチャン」などの擬音語は、学校によって異なると思いますので子どもに確かめるといいですね。
いきなり計算から教え込むのではなく、まずは具体物や図を使って「確実にできるという自信」をつけてあげることが大切です。
それができれば計算、そして問題作りや説明などをゲーム感覚で一緒に取り組んであげると、後々活かすことのできる力が身につくでしょう。
まとめ
「一桁+一桁」ですので、将来的には必ずできるようにはなるでしょう。しかし子どもは新しいことをどんどん学んでいかなければなりません。
ここでの頑張りが、間違いなくあとでの勉強のためになりますので確実におさえておきましょう。
ですが相手はまだ、ピカピカの1年生。一緒に楽しみながら勉強に付きあってあげたいですね。
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