小学校に入学すると、毎日のように宿題が出ますよね。子どもの学力を定着させるため、家庭学習の習慣をつけるためには必要なことだからです。
しかし家で子どもと勉強していると、ついついケンカに発展してしまうことありませんか? 「お母さんの教え方が悪い」「お母さんすぐ怒る」 などいったケースです。せっかく宿題というツールでコミュニケーションをとれているのに、ケンカで終わってしまうなんてもったいない。
ということで今回は、「上手に宿題を教えられる教え方」について解説していこうと思います。
心当たりのある部分は改善して、親も子も楽しく宿題ができるようになればいいですね。
そもそもどうしてイライラするのか?
まずはこれについて考えてみましょう。答えは簡単、「我が子のことを誰よりも愛しているから」です。だってよその子が、宿題ができなくてもイライラしないでしょ。自分の子どもだから、勉強ができるようになってほしいからイライラしてしまうんです。
ですからイライラすることは悪いことではなく、子どもを愛している証拠として考えるようにしましょう。
やってはいけない教え方
宿題の教え方には、やってはいけない教え方があります。すぐに思いつくと思いますが、イライラしたり、怒ったりする教え方です。そんな教え方だと、やる気がなくなるかケンカに発展してしまうからです。順に詳しく見ていきましょう。
怒る
先ほど述べたとおり、怒るのは「子どもに理解してほしいから」です。しかしこれは、大人の理論です。残念ながら子どもには伝わりません。子どもからしてみると、「自分が分かっていないから怒られている」という感覚だからです。
ですから怒ったところでメリットは発生しません。イライラし始めたら心の中で「この子のことを愛しているからだわ」ぐらいおおらかな気持ちになりましょう。
それでも収まらない場合は、いったん席を離れ、お茶でも飲んで気分を落ち着かせることが大切です。
”どうしてわからないの?” という否定
これは、もはや最悪です。気持ちは分かります。何度教えても覚えてくれない、理解してくれない。賢くなってほしいのに…。という気持ちから出る言葉だからです。
ですが「どうしてわからないの?」という言葉だけでは、そんな気持ちは伝わりませんので「こんなに教えても理解できない。ダメなやつだ」という趣旨で子どもに伝わってしまいます。
それを聞くと子どもは「自分は勉強ができないダメな子」と自尊感情をさげすんでしまいますので、絶対に言ってはいけません。
他人と比べる
兄弟がいるとおこりやすいNGです。子どもには個性があると分かってはいるものの、どうしても兄弟と比べてしまうものだからです。
比べられて劣っている方は、いい気分はしないでしょう。それどころか「自分はダメな子」と思い込んでしまいますので、たとえお兄ちゃん、お姉ちゃんより勉強ができなくてもそれはその子の個性だと思いましょう。
他の部分では必ず、秀ている部分があるはずです。
親に必要なスキル
子どもに宿題を上手に教えるためには、親にもある程度のスキルが必要です。闇雲に教えていってもなかなか上手くいかないでしょう。
口出しせずに見守る
ついついやってしまいがちなのが、間違いを見つける度に口出しをしてしまうことです。親としては、子どもの間違いが気になってしょうがないからです。
ですが間違いを見つけても少し待ちましょう。子どもはもう次の問題に取りかかっていないでしょうか? 途中で口を挟むことは、その集中を妨げることになります。しゃべりかけるタイミングを考えましょう。
間違いの伝え方も「これ、間違っている」ではよくありません。まず子どもも「イラッ」とするでしょうし、この言い方ではもう一度考えてみようというやる気にならないからです。「お母さん=間違い発見器」の図式になってしまいます。
重要なのは、
「子どもが考え直す必要があると感じること」
です。親はそれを理解した上で、一緒に問題を読み返したり、解き方をなぞったりしながら子どもに気づかせるようにすることが最も効果的な教え方です。
学力向上を目的としない
宿題は家庭学習の習慣の定着を目的としましょう。特に勉強の苦手な子どもにとってみると、それ以上を望むと逆効果です。
学力向上を目指すならば、学校や塾に任せた方が効果的です。家庭での学習は、「学ぶ楽しみを感じること」に目標をおきましょう。
褒める、達成感を味あわせる
学ぶ楽しみを感じるためには、やはり褒められなければ感じることはできません。一生懸命頑張ったことを精一杯褒めてあげましょう。できれば物で釣るのではなく、言葉やスキンシップで満足度を高めてあげられるといいです。
でないと物がなければ、やらない子どもになってしまうからです。結果だけでなく、頑張った過程を褒めてあげることで満足度が高まり、大きな達成感を味わうことができます。
一度で覚えられないことを分かっておく
当たり前なことですが、これは案外陥りやすいミスです。なぜなら自分はすでにその勉強を習得しているからです。人間は自分が簡単にできることは、他人もできると思う部分があります。
しかし実際はそうではありませんよね。仕事でも新しく教えてもらったことは、すぐ活かしたいですがたくさんの情報が入ってくると、教えてもらったその日でも忘れてしまうことがありますよね。
子どもも同じです。子どもにとってみれば、勉強するということはたくさんの情報がすごいスピードで頭の中に入ってきています。ですから一度で覚えきれなくても仕方ありません。
そのことをしっかり分かったうえで、同じ説明でも2度3度繰り返ししてあげることが大切です。
学校と同じ教え方が大切
ケンカの原因でよくあるのが、「学校の先生と教え方が違う」ということです。教える人間が違うので当たり前なのですが、子どもにとってみれば色んな教え方をされると混乱してしまいます。
ですから、教え方はできるだけ学校と同じように教えることが楽しく勉強ができる手段の一つだといえるでしょう。
答えではなくヒントを与える
学校ではすぐに答えは教えません。理由は、答えにたどり着くまでの考える過程を大切にしているからです。ですからおうちでもそうすることをオススメします。
子どもは遊びたいから、すぐに答えを求めるかもしれませんが、それでは勉強になっていません。遊んで落ち着いてから勉強に取り組んだ方が良いでしょう。
その問題を解くための必要なステップを親が頭の中で考え、少しずつヒントを出していきましょう。スモールステップです。これをこなすことで、少しずつ「できた」という感覚を覚えることができます。
一気に答えまでの登り詰めず、一段ずつ階段を上っていくことが大切です。
ちょっと上級 親も頑張る方法
ここからは少し上級編です。ですが、そんなに難しいことではありません。親が少し時間を使ったり、なりきることができたりすればこなせる技です。
教える前に予習する
勉強が苦手な子どもの場合、いろんな教え方があると混乱します。それを避けるために方法です。
なるべく学校の先生が教えている方法で勉強を教えてあげましょう。そのためには、教科書、ノートを必読しなければいけません。
ぼくが特に見てほしいのはノートです。たまに教科書と違う方法で教えている場合もありますし、何より子どもの学習状況が鮮明に分かるからです。教え方、学習状況を親が理解した上で教えると、とてもスムーズに教えることができます。
ほんの5分でもいいので、宿題を教える前に親が予習をしましょう。
家庭教師になる
我が子が可愛すぎるから、できないとイライラするわけですから、ここはひとつ教えることを仕事と思いましょう。宿題を教える間だけ家庭教師に変身してください。
子どもにも「先生」と呼ばせるようにして、家庭教師ごっこをしてみてください。すると意外かもしれませんが、こちらも案外冷静に子どもの勉強をみてあげられる場合が多いです。
なりきりが好きな親子には、この方法はぴったりはまるかもしれません。
まとめ
宿題ひとつとっても色んな教え方があります。子どもが「勉強することは楽しいこと」と思うことができるような、教え方や環境を作ってあげることが大切です。
「宿題=嫌なこと」と思っている子どもの親は、ほぼ間違いなく「宿題させること=苦痛」と思っています。ですから、親が「子どもと勉強することは楽しい」と思うことが子どもを勉強好きにする第一歩なのかもしれません。
親の考え方や教え方が子どもに影響を及ぼすことは間違いありません。宿題を一つのコミュニケーションツールとして、親子で楽しんで取り組みたいですね。
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