小学校の子どもがケガ 学校加入の保険について元教師が解説

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学校生活を送っていると、誰しも一度はケガを経験すると思います。擦り傷や軽度の突き指程度だといいのですが、病院に行って診てもらうべきケガをすることもあると思います。

実は病院に行くケガって、学校で結構多く発生しているんですよね。階段から落ちて強めの捻挫や彫刻刀でスパッと指を切ってしまった。一番多いのは、頭を打つケガです。

 

緊急の場合は、保健の先生が付き添っていってくれますが、保護者が来てもらえそうな場合は、学校もしくは病院に来てもらいます。もちろん、学校でのケガとはいえど診察料が発生します。

 

ですが、保護者の負担になったり、診察料をケチって診てもらえなかったりすると大変なので、学校は保険に加入しています。全国どこの学校でも加入しています。4月に大量に配布されるお手紙の中に、“災害共済給付 – 日本スポーツ振興センター” というものがあったはずだと思いますが、まさにそれです。

今回は、もし我が子がケガをして病院に行くことになってしまった場合、どうすればその保険が適応できるかについて解説したいと思います。

 

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そもそも “日本スポーツ振興センター” とは?

そもそも学校で入っている “日本スポーツ振興センター” とは何なのかといいますと、学校で入る保険のことです。“スポーツ” とついているので名前が少しややこしいですが、保険の名称です。

 

一応は任意となっておりますが、おそらく全員入っていると思います。加入費の半分以上は公費で賄ってくれるので、保護者の負担は1年で400~500円程度です。ですから、年度初めの学級費や教材費でまとめて加入していると思われます。

任意ですので加入しないという選択肢もありますが、1度でも病院でお世話になれば、掛け金以上の還付金がありますので入らない人は、ほぼいないといえるでしょう。ぼくも十数年教師をしましたが、拒否した人には出会ったことがありません。

 

というより、ケガをする前提で考えていらっしゃる方は少ないと思いますので、知らず知らずのうちに加入している場合がほとんどだと思います。

 

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どんなときに適応される?

適応範囲は、幅広いです。学校に行っている間のケガはすべてカバーしてくれるといってもよいでしょう。具体的には、授業中、休み時間、放課後、校外学習中でも使えます。また登下校時のケガにも対応していますが、決まった経路以外で道草をしながら帰っていた場合は、対象外になりますので気をつけてください。

あくまでも自分がケガをして、もしくはさせられて病院へ行った場合ですので、誤って物を壊してしまったり、相手を傷つけてしまったりした賠償としての保険ではありませんので間違えないようにしてください。

 

なお、病院に行ったからといってすべてのケガや病気で使えるとは限りません。保険適応前で5000円以上かかった場合です。ですから、3割負担だと窓口で1500円以上払ったものが対象となります。ちなみにこの1500円というのは、1回の支払いではなく、初診から治癒までの総額です。

 

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一体どのくらいのお金が返ってくるの?

治療費の総額の4割が振り込まれます。なので、正直そんなにお得感はないです。なぜなら掛け金に公費が使われているからです。ですから、治療費がかからなくてよかった程度に思っておきましょう。

3割負担で3000円の治療だった場合は、保険適用前で10000円ですので、それの4割の4000円返ってくるといった感じです。1000円は交通費程度ですね。ですが、骨折など通院が長引く場合は、ありがたい保険だといえます。

 

また自治体によっては、子どもの医療費に対して1回500円などの助成制度がありますよね。この助成制度を使った場合、請求時にしっかりと報告する必要があります。そしてこの場合、受け取れる保険金は “自己負担額+総医療費の1割” となります!!

 

したがって自己負担が軽くなった分、保険金が多く残るということはありません。

返ってくるお金ですが、残念ながら民間の保険のようにすぐには返って来ません。だいたい3ヶ月後ぐらいに返ってきます。こればかりは、どうしようもありませんので気長に待つようにしましょう。

 

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必要な書類は?

提出書類は2枚あります。1枚目は、申請用紙です。名前や振込口座を記入します。

 

2枚目は病院で書いてもらう証明書のようなものです。これは、病院に持って行けば記入してくれます。診断書ではありませんので、文書料はとられませんので心配しないでください。

 

ほとんどの場合は、先生が書類をセットして渡してくれるので分かるかと思います。通院が複数回にまたげば、2回目に書いてもらっても大丈夫です。しかし、1回の診察で終わってしまった場合は、後日書類だけ書いてもらいに病院に行く必要がありますので少し手間がかかります。

あらかじめ書類をもらって病院に行くとよいでしょう。

 

なお書類は1か月単位ですので、月をまたぐ場合は、また病院に証明書を書いてもらう必要がありますので覚えておきましょう。

 

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民間の保険との合わせて使える?

結論からいうと、合わせて使うことができます。なぜなら、民間の保険はその保険で毎月掛け金を払っているからです。ですから、遠慮なく使うことをオススメします。

結果的にたくさん返ってきた…という事態になるかもしれませんが、そのための保険ですからね。痛い思いもしたし、病院でたくさん時間も使った分だと思って、ありがたく受け取るようにしましょう。

 

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出さなければどうなる?

学校で病院に行くケガは、結構多いですが一回の治療で済むことがほとんどです。検査して、何もなかったというのが一番いいですからね。

ですから、子ども医療費の助成制度を使い500円で支払いが済み、残り1割の給付金をもらうために書類を書き、また病院まで書類をもらいにいくのを面倒に思われる方も大勢いらっしゃいます。

そこは自由ですので、使っても使わなくてもどちらでも構いません

 

例えば、総医療費が5000円で請求した場合

助成制度で500円+1割給付で500円、合わせて1000円返ってきます。病院が自宅から遠い場合、500円得をするために行動するのは少し面倒かもしれませんね。

 

検査などをして総医療費が20000円で請求した場合はどうでしょう。

助成制度で500円+1割給付で2000円、合わせて2500円返ってきます。これぐらいであれば、もう一度病院に行く価値はありますかね?

 

そのあたりは、価値観ですので保護者に任されています。ただ、複数回通院する場合は、間違いなく申請した方がいいと思います。

 

余談ですが。この申請をするにあたって担任の先生は、事故発生時の詳しい書類を書いて提出する義務があります。ですから、次に会った際に「先生、ありがとうございました」と一声掛けると “出来る保護者” という印象になります。笑

 

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まとめ

ほとんどの人が加入しているにもかかわらず、案外知られていないのが “災害共済給付 – 日本スポーツ振興センター” の保険です。学校から病院へ行く場合は、先生も分かっているので間違いなく使われますが、学校で痛めた箇所を後で診察してもらう場合も有効です。

そういった場合、家庭から病院に行くことがほとんどだと思いますので、保険のことを知らない保護者は損をしてしまいます。

 

ですから、学校のケガで家から病院に行った場合は担任の先生に知らせるようにしましょう。

本当はケガをしないことが一番ですが、もしものときのために保険のことは頭の片隅にでも覚えておくといいですね。

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