社会のグローバル化が進む中、小学校での英語教育も変わってきました。国のねらいとしましては、早めに英語に取り組むことによって習得し、国際的に活躍できる人材育成を目指しているんでしょうね。
ということで、小学校から英語教育が本格的に始まることになりました。ニュースや新聞で大きく取りだたされていることもあるので、ご存知の方が多いと思いますが、実際に何がどう変わっていくのかを説明していきたいと思います。
そして、子どもの英語の能力を伸ばすために親がしてあげるべき重要なことを紹介します。
何がどう変わった?英語教育と大学入試
本格的に英語学習に取り組むために様々な変更が行われていきます。具体的には、英語教育を始める時期や教育内容、大学入試方法などです。
国も急いで英語教育を進めようとしていますが、実際のところ教育現場はまだまだ整備されていないのが現状です。しかし、やると決まった以上、今の子ども達はその流れの中に身を置くしかありませんので保護者としても教育の流れをぜひ理解しておきましょう。
始まる時期
数十年前までは英語は中学校から導入されてきました。「This is a pen.」から学んだ人も多いのではないでしょうか?
そんな時代は、もはや遠い昔の話で2018年度では年間50時間、小学5,6年生は外国語活動として英語学習に取り組んでいます。2020年からは、5,6年生は「教科」として成績がつくようになり、授業時数も年間70時間に増えます。
同じく2020年から現在5,6年生で行っている外国語活動としての取り組みが3,4年生に下りてくるようになっています。3,4年生は年間35時間です。ですから東京オリンピックが始まるころには、3年生から英語に親しんでいるということになります。
なお、現在は移行期間として3,4年生は年間15時間、外国語活動に取り組んでいるという状況です。
中高の学習内容
中学、高校の授業も変わってきます。開始が早まった分、さらに発展的なことを学ぶことができるからです。今までは、「読み」「書き」を中心に授業が行われてきました。
しかしこれからは、「聞く」「話す」も授業の中心に組み込まれてきます。
より活動的な授業にするために、先生も生徒も日本語ではなく、英語でやりとりする「オール・イングリッシュ」の授業がすでに始まってきています。
大学入試の内容
そして大学入試は、「読み」「書き」が中心だったものから、「聞く」「話す」を含めた4技能をみるものに変わるといわれています。
4技能を総合評価するTOEIC®やTOEFL®などの英語検定を使うことも検討されています。
小学校の英語の教育内容
現在小学校ではどんな授業が行われているかというと、英語の歌を歌ったり、ゲームを通して楽しんだり、電子黒板を用いてアルファベッドの書き方や発音の仕方を学んでいます。
本格的に英語の授業が始まると英単語も500~600ほど覚えることになるので、かなりのボリュームになってくることが予想されます。
国としては教育改革を進めているつもりだと思いますが、実際のところは各教育委員会や現場に丸投げにされているのが現状です。その証拠に、お金をかけている自治体は専門の先生がいるのに対し、お金がない自治体は学校、担任まかせにされています。
始めの段階でこれでは中学、高校に上がったときに学力差が出ているのは明白だといえるでしょう。
ぼくも教師をしていたころは、英語を教えるために悩みました。頑張ってはいましたが、他の授業もあり道徳までも教科化され、正直いい授業ができていたとは言えないと思います。そこまで手が回らないからです。
重要なのは楽しむこと
英語学習において重要なことは「楽しむこと」です。語学ですので、それが楽しいと思わなければ苦痛でしかありませんし、頭の中にも残らないからです。
日本語もそうですよね? 読むことができれば世界が広がるし、話すことができればたくさんの人とコミュニケーションが取れ、楽しむことができます。
英語も同じです。始める段階で「楽しい」と思えることが何より大切です。
ですから小学校でも「楽しく学べる」に重きを置いて教えています。低学年だったらやはり歌がいいと思います。「ABCの歌」や「ヘッド、ショルダー、ニィア(頭、肩、膝、ポンの歌)」は子どもたちにとって馴染み深いものになってきているでしょう。
高学年だとアクティビティゲームが喜びます。
隣の友達との机の間に消しゴムを置き、キーワードを決め先生がそのキーワードを言ったらとる「キーワードゲーム」や黒板にスポーツならスポーツの単語と絵の描かれた掲示物を貼り目をつむっている間に一つだけ隠し、それを当てる「ミッシングゲーム」などです。
歌やゲームを通して楽しんでいるうちに自然に英語が頭に残るようになっていきます。
親がするべきたった一つのことは?
子どもの英語の能力を伸ばすために親がするべきことは「興味を持たせてあげること」です。日常の中に英語が増えてきたといえど、何かきっかけがないと英語に興味を持つことは難しいからです。
アニメや映画、英語の歌を活用しよう
アニメや映画、英語の歌を活用すると頭に残りやすいです。アニメも映画も歌も、子どもにとってはすべて好きなものなので、何か用意してあげましょう。
アニメや映画を見せて「続きが見たい」と思えれば大成功ですね。子どもが遊んでいるときにディズニーの英語の曲をかけてあげるのもいいと思います。
子どもが抵抗なく、スムーズに始められるものからスタートするといいですよ。
英語教室に通ってみる
学校で授業をしていると、英語教室に通っている子どもは一発で分かります。なぜかというと発音がとてもうまいからです。子どもはマネをすることがとても得意なので、上手な発音の先生のもとで勉強すると発音は誰でも上手になります。もちろん下手な先生だと下手になってしまいます。
うん、ぼくのことですね…。
これが小学校で勉強する上で難しいんですよ。ぼくは留学経験もなければ、外国の友だちなんて一人もいない純日本人です。だから英語を教えようと思ったところで結局のところ日本語発音が混じってしまうんですよね。
年に何回かはネイティブの先生が授業をしてくれることがありましたが、そのとき英語を習っていない子どもは、
「先生より英語うまい!!」
と言ってました。うん、当たり前だよ。
発音に関しては、上手な発音を身近で聞くことがとても重要だと思います。上手に発音ができて、先生や友達に褒められると自信に繋がりますし、さらに勉強しようという気持ちになるでしょう。ですから小さいうちから英語教室に通うことは、かなり有効な手段だといえます。
しかし、気をつけなければいけないのは、どこでもいいというわけではありません。「英語はイヤだ」と思ってしまっては意味がありませんので、楽しい雰囲気の英語教室なのか、講師はどんな先生なのかという部分はとても重要です。
通わせる前に必ず、下調べと見学をしておくとよいでしょう。
英語教材で一緒に勉強
小さいうちは通信教育などで英語教材を買い、一緒に勉強するのもいいと思います。理由は、子どもは親と一緒に何かに取り組むことが大好きだからです。
「英語=親と一緒にできる=楽しい」という図式を完成させると、楽しんで勉強ができるようになります。
親としては時間を取られますが、子どもとコミュニケーションが取れますし、子どもの成長もよく分かるいい機会だと捉えて一緒に勉強するのもいいと思いますよ。
まとめ
これから英語は社会に出れば、ほぼ間違いなく求められるようになってくると思います。ですから、親としては少しでも力をつけてあげたいですよね。
語学は幼ければ幼いときの方が、間違いなく吸収は早いです。正直、すべて学校任せでは厳しい時代だと思いますので、子どもが「興味を持てる」きっかけを親として作ってあげるべきではないでしょうか?
英語学習が始まったころに、子どもが「英語って楽しい」と思えていれば大成功ですね。
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