自分の子どもにはしっかり学力をつけてほしい。親ならそう思いますよね。ぼくが教師をしていたころ様々な子どもをみてきました。そのなかでも勉強ができる子どもには、やはりいくつかの共通点がありました。
その一つが “宿題のチェック” です。勉強ができる子どもは親が宿題を見ている家庭が多かったです。
ここでいう “見ている” というのは、完璧に間違いをチェックして100点で持たせているということではありません。子どもがどういう考え方をして、どんなふうに宿題を取り組んでいるか把握しているという意味です。
親にしっかりチェックしてもらっている子どもは、勉強においてもそれだけ愛情を注がれているということですので学習環境がいいといえるでしょう。
ですから、忙しい合間をぬってでも子どもの宿題をチェックしてあげるようにしましょう。
宿題は親子で取り組むものか?
宿題をしないのは、子どもの責任。学校で先生に怒ってもらって恥をかけばいい。そのように考える保護者もいらっしゃると思います。もちろん、社会人になると仕事をしないのは自己責任ですが、宿題の場合は親にも責任はあるといえるでしょう。
なぜかというと、そもそも宿題とは家庭で学習習慣を身につけるためにあるからです。ですから、保護者である親が学習環境を整えてあげる必要があります。
特に子どもが小さいうちは肝心です。ここで宿題をできるようになるかが、後々におおきな影響をもたらします。低学年のうちは、宿題が合っているかも大切ですが、それよりも宿題に一生懸命取り組めているかをチェックしてあげましょう。
【悩み】チェックする時間がない
分かってはいるものの仕事をしていてチェックをする時間がない!! と悩まれているお母さんも多いと思います。最近は共働きの家庭も多いですからね。
しかし、それを言い訳にしたところで子どもにいい影響は一つもありません。時間がない中でも工夫をすることで子どもの宿題をチェックしてあげることができます。
宿題を出す習慣を付けよう
まずノートが入るカゴを用意しましょう。そのカゴに学校のように、終わった宿題を出すようにします。そうすることで子どもが寝た後でもチェックすることができるからです。
チェックし終わったら、子どものランドセルの上に置いてあげましょう。次の日の朝に宿題について一言声をかけてあげてくださいね。
宿題をチェックするメリット
宿題をチェックすることによってメリットがでてきます。“学力を知ることができる” ことと “子どもが宿題をする時間帯がきまる” ことです。
デメリットとしては特にありません。高学年から始めようとすれば、少し嫌がるかもしれませんが、低学年のうちから始めていると習慣化できているので、それが当たり前になっているからです。
学力を知ることができる
親にとって子どもの学力を常に把握しておくことは大切です。早い段階で子どものつまずきに気付いてあげることができるからです。
ごくたまに、通知表でしか子どもの学力について知る機会がない保護者もいますが、そういう家庭で育った子どもは自尊感情も学力も低い場合が多いです。自分に関心を持ってもらえていないと感じるからです。そう感じるとやる気が出ないのは当たり前ですよね。
ですから、宿題を毎日チェックして子どもの学力に関心を持つようにしましょう。
宿題をする時間が決まる
宿題をカゴに入れることが習慣化されると、必然的に子どもが宿題をする時間が定まってきます。寝る前までに宿題を終えないといけないからです。
お伝えした通り、宿題とは家庭で学習習慣を身につけることが一つの目的ですので、いつ勉強するかを習慣化することは非常に意味があることです。
カゴに入れるという約束をすることで、宿題をする時間に制限が生まれ、その時間内で取り組むことができるようになれば、宿題チェックをする価値が大幅に上がります。
チェックとは名ばかり、やるべきことは「褒めること」
宿題チェックというのは名ばかりであって、本来するべきことは “子どもがどんなふうに宿題に取り組んでいるか把握する” ということです。ですから出した宿題を、一通り目を通し終えたら必ず褒めてあげることが大切です。
どんなことでも構いません。
「この計算問題全部合っているね」
「すごく丁寧に漢字書けているよ。特に丁寧なのはこの字だね」
「この問題何度も挑戦したんだね。たくさん消した後が頑張った証拠だね。エライ!!」
など、なるべく具体的に褒めてあげましょう。そうすると、次も頑張ろうという気持ちになります。
気をつけたいのは、一方的な “ダメだし” をしないことです。
「字が汚すぎる!! ダメ」
と言われてもやる気が起きません。
「昨日はどうしたの? 何かあった?」
と聞いてあげましょう。おそらく「遊んでいてできなかった」など言うと思います。そうしたら、
「この字どう思う?」
と問いかけてあげてください。子どもは “これじゃマズイな” と思うはずです。大切なことは、自分で宿題の出来を考え、反省させることです。このときも必ず頑張ったことをセットにして話してあげてください。
基本的には、1日一つは必ず褒めましょう。褒められて嬉しくならない子どもはいません。自分の子どもが頑張って宿題に取り組んでいる姿を想像すると、褒めるポイントなんてすぐに見つかると思います。
間違いなどが気になるかもしれませんが、それは学校の先生に任せておきましょう。家で宿題についてガミガミ言われると、おうちで宿題をすることが嫌になるからです。
まとめ
できることなら1年生のうちから欠かさず、褒めるための宿題チェックを行いましょう。子どもにとって “お母さんがみてくれている” という安心感が学習習慣へとつながるからです。
ここで学習習慣をしっかり身につけておくことができれば、高学年、中学、高校になっても一人で勉強することができるようになるでしょう。
宿題は、子どもの頑張りを評価できるとても身近なものです。たくさん褒めてあげて子どもの学習をサポートしてあげてくださいね。
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