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教員採用試験に合格し、4月から新任の教師になると決まった方、おめでとうございます。とはいうものの、いきなり先生をするのは正直不安ありますよね。できることならスムーズに仕事をスタートさせたい、子どもといい関係をつくりたいと思われているのではないでしょうか。
そう思われている方、学生の時間のあるうちに「今しかできないこと」をやっておきましょう。やはり準備をしていると実際に4月から教師としての生活が始まったとき、心の余裕が違ってくるからです。
何をしておくべきなのかというと、「クラスについて考えること」と「経験」です。
自分が実際に4月から教壇に立ったとき、どんな先生でありたいかイメージを持っておくと余裕ができます。なぜなら実際に教師生活がスタートすると年度初めは会議が多く、クラスの準備にあてる時間がわずかしかないからです。
これは本当にビックリします。働き始めて一番に驚くことかもしれません。ぼくも新任の頃、驚いたし、困りました。
始めに始業式までの予定表が配られるんですよ。朝の8時半~17時までの時程です。
8:30~10:00 | 会議1 |
10:15~12:00 | 研修 |
13:00~14:30 | 会議2 |
14:45~16:00 | 会議3 |
16:00~17:00 | 学年会 |
こんな感じの予定です。これホント。先輩の先生に思わず聞きましたよ。
「クラスのことっていつするんですか?」
って。つぶらな瞳で、ネタでもなく本当に素朴な疑問で聞きました。返ってきた答えは、
「えっ? 空いてる時間…やな」
でした。
「???」
「どこどこどこ?? 空いてる時間ってどこ?? お昼食べないの? 先生ってご飯食べながら仕事するの??」
と思ったのを覚えています。でもね、4月は本当にこんなスケジュールで動くんですよ。クラスのことをゆっくりしている時間は本当に限られています。
そんな切羽詰まった状況の中で、どんな先生になりたいかゆっくり考えることはできないと思います。
ですから経験のない新任さんは、時間のある学生の間に「どんな先生になりたいのか」イメージを持っておきくと少しでもゆったり4月の準備を進められますよ。
自分のイメージができたらクラスのイメージもしておきましょう。具体的に「どんなクラスにしたいか」ということです。これは始業式の日に、いわゆる学級開きで子どもたちにも伝えると思います。
教師側が「どんなクラスにしたいか」を明確に持っていないと、子どもたちも目指すものが分からないからです。
具体的には、
「みんなが笑顔で登校して、笑顔で下校できるクラスにしたい」
そのためには一人ひとりを大切にする。言葉づかいや行動で友達を傷つけないようにする。
「全員が何事にもチャレンジするクラスにしたい」
そのために失敗を責めない。間違いを責めない。困ったらみんなで助け合えるようにする。
などです。
ぼくは新任の頃は
「何事もみんなで楽しく!!」
でした。しんどいことやつらいことでも、発想を変えれば楽しくできることを伝えたかったし、何より自分にとって初めて担任する子どもたち。自分も含めて楽しい毎日にしたいという思いを強く持っていたからです。
担任を持つと必ずといっても書いていかなければならないのが学級通信です。クラスでの様子を的確に書いて、子どもと出来事を振り返り、楽しかったこと、反省点を共有し、保護者に伝えるためです。
1年間通して発行する先生が多いと思いますので、タイトルぐらいは考えておいた方がいいと思います。1年間使うとなると、どのようなタイトルをつけるか悩むからです。
これは何年やっていても毎年4月に悩むんですよね~。どうしてもやっぱりこだわってしまう。
「この子たちとは、こんなクラスにしたいからどんなタイトルがいいかな~」
って。それを考え出すと、それだけで他の仕事が後回しになってしまうので非常に危険です。笑
学生の段階では、まだ何年生を担任するのかは分からないと思いますので、候補として考えておくといいでしょう。どうしてそのタイトルにしたのか、自分なりの考えも伝えられるようメモを取っておくとよいでしょう。
学級通信ってどんなネタでかけばいいんだろう? 自分は苦手っぽいなと思われる方は、一読されることをおすすめします。通信作りが得意な先生の実践事例が分かりやすく書かれていてとても参考になること間違いなしです。
教員免許を取得するためには、障がいについて学習したと思われます。しかし、現場に出ると「障がい」と認められていない(もしくは保護者が認めたくない)グレーゾーンの子どもが多数います。クラスに1~4人といったところです。
そのような子どもが最近は非常に増えてきていますので、新任と言えど担任する可能性はたかいです。ですので、そのような子どもにどのように対応してあげるのが適切か知っておくことが重要です。
ぼくが初めて出会った子どもの中に、勉強が分からなくなると奇声を上げて教室を飛び出すこどもがいました。明らかにADHD傾向が見られましたが、通常学級に在籍しているので教室でみんなと同じように勉強します。
初任だったのでとても困りましたね。怒ってしまったこともありました。上手くいかなかった方が多かったと思います。
それでも最後は対応の仕方が徐々に分かってきて、問題をするときは必ず初めにそばにいってあげました。「分からなくて手を挙げるとすぐに行ってあげる、その代わりに教室から飛び出さない」という約束を結ぶこともできました。
子どもは進級していきましたが最初からあの関わりができていたら、あの子はもっと成長できたかもしれない。クラスももっとまとまったかもしれない。という後悔を持ったことを覚えています。もっと障がいについて理解しておけば…と思いました。
一番勉強になるのは、リアルな現場で学ばせてもらうことです。学生ボランティアという形です。現役の先生の対応を学んだり、実際に子どもと触れ合ったりすることがいいでしょう。
時間的に厳しいのであれば、本で学んでおくと現場に出てからの混乱が少ないでしょう。
オススメの著書は、この2冊です。
基礎的なことが載っており、実際の対応例も書かれています。タイトル通り、どのように対応すべきかを学習できる一冊です。「もしもこんな子どもが自分のクラスにいたら…」自分ならどのように対応するか考えながら読むといいと思います。
著者が実際に行ってきた取り組みや対応例が書かれています。ぼくも経験がありますが実際、障がいのある子どもがクラスにいると上手く対応すれば、周りの子どもたちの心はぐんと成長させることができ、クラスとしてもまとまりが増します。他の子どもも常にその子のことを念頭に置いてくれ優しい気持ちが育ちます。
経験から導き出された効果的な方法が紹介されていますので、一読の価値があります。
お金はそんなにないかもしれませんが、時間はたっぷりありますよね? それが大学生の最大のメリットです。その手をいかさないのは非常にもったいない、愚の骨頂です。「時間がある」今しかできない経験をたくさんしましょう。
なぜならそれが今後の教師経験において財産になるからです。
思い出してみてください、大学の講義でもいいです。先生が今まで体験してきた話や授業とはちょっと逸れる知識の話で興味を持ったことがありませんか? きっと誰しもあると思います。
逆に先生の講義オンリーだと子守唄のように聞こえてきますよね?
子どもたちが興味を持つ小話ができる体験をしておくということです。もちろん、いつそれが役立つかは今は分かりませんが、経験の豊富な先生は子どもにとって魅力的です。
ですから、今しかできないことをたくさん挑戦してみましょう。
4月からの仕事をスムーズに進める即効性があるのが学生ボランティアです。理由は自分がこれからしていく仕事を事前に経験することができるからです。
実際にやってみようと思われた方は、教育委員会に相談してみましょう。学校を紹介してくれます。教育実習に行った学校に直接交渉するのもありです。
どの現場も人手が足りずに困っています。あなたのことを快く受け入れてくれると思いますよ。
4月から教師として働くのであれば、経験値としてこれ以上プラスになることはないといってもいいぐらいのものです。
教育関係以外のボランティアを経験してみることも非常に有意義でしょう。なぜなら、4月から教職としての仕事が始まってしまうと、おそらく教職以外のことをする時間がないからです。
具体的には街のクリーン活動や介護補助、被災地のボランティアなどです。先ほども述べたとおり、様々な経験をしている人は魅力的です。
もちろん、そのためだけにボランティアをすることは本質からズレるのかもしれません。しかし、自身が経験していないことを子どもに伝えることは難しいし、薄っぺらい内容になってしまいます。
あえて教育以外のボランティアを行うことで自分の経験には厚みがでます。間違いなく将来の教職には活きてきますので、価値のある経験になることでしょう。
アルバイトに一生懸命取り組むこともいいと思います。これもあえて教職以外のアルバイトです。理由は先ほどと同様、教職が始まってしまうと経験できないからです。
例えば、小学校の社会は教えることが広範囲です。農業、漁業、自動車、情報、公害…多岐に渡ります。ですので、どこかでアルバイトの経験は役立ちます。自分の経験をもとに授業を展開していくことができます。
ぼくは学生の頃、すし屋でバイトをしていたことがありました。小さな店でしたが店長が魚の買い付けにいくので一緒に行ったことがあります。魚の見方も教えてもらいましたし、魚が取れてからすし屋にくるまでの流れを知ることもできました。
まぁもちろん、そのときはその経験が役立つなんて思いもしませんでしたが、5年生の漁業でその話をすると子どもが興味を持って話を聴いてくれます。
教科書に載っていないリアルな話なのでとても興味が湧くんでしょうね。
授業で教師の経験を交えた話ができると、子どもも興味を持って話を聴くし、授業にも深みが出ます。そうしたことができるのは、自分が経験をしてきたことだけです。
時間があるうちにたくさんの職種のアルバイトを経験しておくことで、将来的に教職ともつなげていくことができますよ。
各地を旅したり、今まで自分がやったことのないことに挑戦したりしましょう。理由は、今までに自分になかった考え方や価値観を感じることができるからです。
教職の仕事は相手が人間なので、当たり前ですがいろんなタイプの子どもがいます。もちろん考え方や価値観も十人十色です。
具体的に何をするかは、何でも構いません。ポイントは今まで自分が訪れたことのない土地や全く触れたことのないジャンルです。これも4月になって仕事が始まれば、時間的にほぼできなくなるでしょう。
これが「学生のうちはよく遊べ」と言われる理由です。「遊ぶ」というよりは「自分磨き」をしっかりしておくというイメージですね。「自分磨き」はなかなか短時間ではできませんので、時間のあるうちにやっておきましょう。
あなたのストレス解消方法は何でしょうか? これは、しっかりと分かっておきましょう。上手くストレスを発散できなければ、仕事も上手く回らなくなるからです。
よくあるのは、「大学のときはサッカーしてたんですけど…」とかいうものです。大学では、広いグラウンドがあり、部活動やサークルがあって一緒にサッカーをする仲間がいた。でも働き出してからは、その環境が無くなってしまいサッカーがしたくてもできていない。というパターンです。
社会人になると環境が大きく変化しますので、自分のストレスを解消できる環境を用意しておいてあげましょう。サッカーがそれにあたるならば、社会人のチームを探すとか、同じような仲間が集まるフットサル場を探すなどです。
ですから切り替え上手になるためにも、4月から自分がストレスを解消できる環境を調査、用意しておきましょう。
まだ時間があると思っていても、4月はすぐにやってきます。思い立ったら吉日です。「何かしておこう」と思ったその日から行動にうつしましょう。
もう一度言いますが、学生の最大のメリットは「時間が豊富にあること」です。
そのメリットを最大限に活かして、今しかできないことをたくさん経験し、4月からの自分、そして子どもたちをイメージしておきましょう。
今、行動にうつせる人は4月から素晴らしい先生になられるでしょう。なぜなら、子どもたちのために行動できる人なのですから。自分を豊かにして、たくさんの子どもたちの笑顔と出会ってください。