授業準備の大原則 新任や若い教師がやるべき教材研究のポイント

新任先生のみなさん、こんにちは。パパっと先生です。

4月から先生になられて、忙しい毎日を過ごされていると思います。学期がスタートすると、息つく暇もないぐらいだと思います。

しかし、その中でも行っていかなければならないのが授業です。「もう授業は完璧だぜ!!」なんていうツワモノは、そうそういないのではないでしょうか? というより、十数年やっても授業というのは難しいものです。

ぼくも新任の頃は、毎日の授業で頭を抱えていました。なんせ、多い日には1日6時間も授業をしなければなりませんからね。一体何から手を付けたらいいのか、それを考えるだけでも時間が過ぎてしまっていました。

ですから今回は、教材研究の仕方についてまとめてみました。新任先生の力に少しでもなれば嬉しく思います。マネできそうなところは、ぜひマネしてくださいね。

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週案を立てる

まず行うべきことはこれでしょう。週案を立てることです。授業の年間計画は、年度当初に組んでいると思いますが、それだけでは不十分です。年間では期間が長すぎて、先々が見えにくいからです。

かといって、その日暮らしの授業計画では「学期末に授業が間に合わない…」なんてことにもなる可能性がありますので、1週間ごとの授業計画を立てましょう。

この1週間、どんな授業をしてどこまで進むかを考えます。教材屋さんで教務必携を買ってもいいですし、エクセルなどで自作しても構いません。日々、確認しながら授業を進められるようにしましょう。

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その授業でつけたい力は何か考える

その授業1時間で「子どもたちにつけたい力は何なのか」を考えることが授業づくりの上で非常に大切です。なぜなら、これを教師が明確に持っておかないと授業の方向性が定まらないからです。

運よく授業がまとまったとしましょう。しかしそれは、「子どもたちに価値ある深い授業」だったわけではなく、「ただ単に面白かった授業」であった可能性が高いでしょう。

そこで、「いい授業だった」と勘違いしてはいけないということです。

具体的にいうと、初めての二けたのかけ算「15×4」を考える授業だったとします。単元の導入にあたる授業です。

あなたなら何を「つけたい力」と考えますか? これをしっかり持っておかないと、今後の授業に影響が出てきます。ぼくなら、「答えにたどり着くまでのじぶんなりの考え方を持つ」という部分をポイントとして設定します。

なぜなら、その考え方が後々出てくる筆算の考え方に結びつくからです。最終的には全員が筆算を習得するのですが、そこに至るまでに自分なりの考え方を持つことができたかどうかは、今後の算数の学習において非常に意味のあることになります。

ですから、教材研究をするときには「つけたい力は何か」をよく考えるようにしましょう。

ポイントと方法を考える

つけたい力が決まったら、それを授業のどのポイントでつけさせるか考えましょう。また、どのようにすればその力がつくか、方法も併せて考える必要があります。

先ほどのかけ算の授業の場合を例にすると、ぼくなら導入をしたあと「自力解決」の時間を設けます。何でも構わないので、答えを自分の力で導き出す時間です。ノートに考えられるだけ書かせます。

次にこちらから指名してホワイトボードに考え方を書いてもらいます。このとき選ぶのは、色んな考えが出るように選びます。絵や図、たし算、最終的には全て筆算に結びついていくからです。

そして発表してもらい、お互いの考えを深め合います。

もし自分の考えが持てなかった子どもがいたら、友達の考えを聞いて一番納得できたものとその理由をノートに書いておかせます。そうすることによって、自分の考えとして落とし込むことができるからです。

本時の核となる部分ですので、しっかり時間をとる必要があります。ここまで決まれば、授業はほぼできたといえるでしょう。

導入は大切

つけたい力が決まっているからといって、安心はできません。なぜなら、そこへたどり着くまでに子どものモチベーションが高まっていなければ、進んで学習しようという気持ちにならないからです。

先ほどの例でいくと、「今日は15×4を考えましょう。はい、スタート」では誰も勉強する気になれません。

子どもたちが取りつきやすいお話に乗せたり、掲示物を用意したりすることが大切です。このあたりは、各先生の個性が出せるところだと思います。色んなアイデアを思い浮かべながら楽しんで考えましょう。

ちなみにぼくは、子どもの生活に即した話題に乗せて問題にしていました。例えば、

だがし屋さんに行きました。1本15円のうまいかもしれない棒を4本買いました。全部でいくらでしょう。

といった感じです。「うまい棒」のパクリと子どもたちは一瞬にして気づきます。そこに「うまいかも?」と?マークのついた「うまいかもしれない棒」のイラストを出すと、どっと盛り上がります。

用意は大変かもしれませんが、前に掲示することでヒントにもなりますし、後々にも使えますので使いまわしのできそうな掲示物は、時間のあるときに作成してもいいかもしれませんね。

導入を工夫するだけで、子どもの食いつきは全然違ってきますよ。

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上達への近道は振り返り

授業を上達するための近道は、自分の行った授業を振り返ることです。振り返りをすることで、良かった点、反省すべき点が浮き彫りになってくるからです。ノートなどにポイントをまとめていくとさらに効果的でしょう。

1日の終わりに思い返してみるだけでも大きな効果が得られます。

ポイントはおさえられていたかどうか

一番に振り返るべきことは、つけたい力の部分のポイントはおさえられていたかどうかです。授業の核となる部分がしっかり行うことができていたか、確かめることが非常に重要だからです。

もしもきっちりおさえられていないと判断したら、なぜできなかったのかを深く考えましょう。教材が適していなかったのか、持って行き方が悪かったのか、説明不足だったのか… 理由を明確にすることが大切です。

上手に行えた場合も、なぜうまくいったのかを振り返ることが大切です。

振り返りで得た知識は、次の授業に必ずいかすことができます。子どもの勉強と同様で、人から指摘されるのではなく、自分で間違いに気づくということが非常に重要になってきます。

子どものノートを参考にする

授業で子どもたちに力がついたかどうかは、子どもたちのノートを見れば一目瞭然です。授業の最後に、1時間の振り返りをノートに書かせてみましょう。書く内容は、1時間で身に付いたことや自分や友達の考えで気づいたことなどです。

慣れてない最初のうちは、あまり参考になりませんが慣れると子どもたちもしっかり振り返りをまとめることができます。

その振り返りの内容と、自分が考えていた「つけたい力」内容が一致していれば授業は成功だったといえます。逆にあまり触れられていない場合は、どこかに改善の余地があったと判断することができます。

振り返りをノートに書かせることは、子どもにとっても非常に有意義なことなのでぜひやってみるようにしてください。

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教材研究をする上での注意点

最後に注意点をお伝えしようと思います。教材研究をするとき、何を参考にしていますか? 子どもと同じ教科書ですか? それとも赤刷りの教科書ですか? おそらく多くの人が赤刷りを使用していると思います。教える内容がかいてあるからです。

しかし、赤刷りに頼りすぎるのはよくありません。なぜなら内容が薄っぺらいものになってしまうからです。

赤刷りには、どのように指導すればよいかが細かく書かれていますので、最初にそれを見てしまうと、それが全てと思い込んでしまいます。勉強するときに答えを見てからやっても身につかないのと同じです。

ですから、始めは子どもと同じ教科書で教材研究をするようにしましょう。もちろん時間はかかると思いますが、自分で考えた授業プランになるので非常に濃い内容になります。しかも、もし失敗しても自分で考えているため失敗点にすぐ気がつくというメリットもあるからです。

赤刷りは、大事な部分が抜け落ちていないか確認程度に使うことが望ましいでしょう。

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まとめ

慣れるまでは、授業を一つ考えるだけでも膨大な時間がかかってしまいます。それはある程度仕方ないことだと思います。

しかし始めのうちに苦労し、自分なりのやり方を確立できた人は、これから先何十年と教師を続けていくことができるでしょう。どの職業でも自分のスタイルを持つということは、強みになるからです。

若いうちは、色んな先生のマネをしてたくさんのことを吸収するべきです。その中から、自分に合う方法を見つけていきましょう。

すべては子どもたちのためです。授業に関しては努力を惜しまず、日々精進することが大切ですね。「教育技術」など、いろんな教育書を読んで自分に合ったものを見つけるのもいいですよ。

fukky841

2人のおてんば娘の子育て真っ只中!! 長年勤めた元教員としての経験を活かし、子どものためになる情報を発信できる仕事に就くために奮闘する日々を過ごす。 人生目標は、死ぬまで毎日楽しく生きること!!