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教育というのは、学校だけで行うことができません。学力をつけるだけでは、塾と変わらないからです。学校では、子どもに “生きる力” をつけていってあげる必要があります。そのためには、家庭、地域の協力が必要不可欠です。
みんな手を取り合って子どもの教育に力を注ぐことができれば素晴らしいですが、正直保護者との関係作りが苦手な人もいるのではないでしょうか?
保護者とうまく関係を築いていくためには必要なことは大きく分けて2つです。1つは “褒めること” 2つめは “共感すること” です。なぜなら褒められること、自分の話を聴いてもらうことを嫌に思う人はいないからです。
実際にどのようなことを褒めて、どのような場面で共感すると保護者と良好な関係を作ることができるのかをお伝えしていきたいと思います。
保護者と良好な関係を築くためには、まず子どもと信頼関係を深めましょう。なぜなら子どもは学校での出来事、先生との関わりを家で話をするからです。
もちろん、教育は子どもが中心ですので、保護者と仲良くなるために子どもとの信頼関係を深めるわけではありません。子どもと信頼関係を深めていくことが結果として保護者との良好な関係を築いていくということです。
信頼関係のポイントは “褒めること” “共感すること” です。この2つを実践して信頼関係を深めていきましょう。
子どもとの信頼関係を築く上で大切なことは、褒めること、話を聴くことです。なぜなら、子どもは大人以上に褒められることが大好きだし、自分の話を聴いてほしいからです。
学年が低ければ低いほど、空気を読まず自分のことを喋りたがります。自己顕示欲が強いと言えるでしょう。順番を守らせながら相づちを打って話を聴いてあげることが大切です。自分の話をしっかり聴いてもらえたと思うと満足感に満たされるからです。
また、どんな些細なことでもいいので大きく褒めてあげましょう。1日1つ、少なくても1週間に1回は全員に声をかけられるように意識しておきましょう。褒める内容は何でも構いません。
「今日の挨拶すごい元気やなぁ」
「難しい本読んでるねぇ。スゴイ!!どんな内容?」
「今日の宿題の漢字めっちゃ丁寧やわ」
など。
ちょっとしたことでも先生に褒められるととても嬉しくなります。そのことは必ずおうちで保護者に話すでしょう。そうなることによって “先生うちの子見てくれているな” という安心感につながっていきます。
子どもに向かって親を褒めることも大切です。自分の親を褒められると子どももいい気分になるし、保護者も褒められて嬉しくなるからです。教育において “褒める” という行為はとても重要です。
具体的には、
「上靴袋お母さんが作ってくれたの? お母さんすごい器用だねぇ」
「本読みカードいつもお母さん上手に絵を描いてくれているね。お母さん絵が得意なんだね」
「お母さん連絡帳に書いている字、すごい丁寧でビックリするわ」
など、何でも構いません。
このようなことは教師をしていると感じるときがあると思います。それを “スゴイな” と心の中でしまっておくのではなく、声に出してその子どもに伝えましょう。
伝えることによって相手も嬉しくなり、知らないうちに信頼関係の基盤が完成します。また、次に保護者に会ったときにその話をすると効果は倍増します。
どんな保護者でも我が子は最も可愛い存在です。学校、クラスに属していますが自分の子どもしか見ていないと言っても過言ではないでしょう。
ですから自分の子どもには、四六時中、常に期待をしていますし、“大丈夫かな?” と不安も抱いています。それぐらい気になる存在だからです。
よく学校に相談やクレームをつける保護者もいると思いますが、気持ちを大きく持って話を聴くようにしましょう。
“それぐらい子どものことを愛しているんだなぁ”
と。これが共感への第一歩です。途中で口を挟まず、最後までゆっくり話を聴きましょう。
そうすることによって、保護者はあなたに大いなる信用を寄せることができます。“この先生は話をしっかり聴いてくれる” と思ってもらえるわけです。保護者との信頼関係を築く上で “共感” は欠かせないポイントとなりますので肝に銘じておきましょう。
先ほども述べたとおり、保護者は子どもに常に期待しています。“いい子に育ってほしい” という願いを持っています。その子どもを褒めてあげましょう。難しく考える必要はありません。その子どもの良いところを伝えるということです。
これを行うことで保護者はとても嬉しくなりますし、“先生が自分の子どものことをよく見てくれている” という安心感につながるからです。
伝える内容は、些細なことで構わないです。ちょっとした良いところを評価していい雰囲気の中で保護者とつながることが大切です。
どの保護者も一生懸命子育てをしています。そのことを評価してあげましょう。なぜなら “子育て” で評価されるという経験は保護者にとってとても少なく、それを教育の専門の先生に評価されるととても嬉しくなり自信にもつながるからです。
実際に朝から晩まで子どものために必死に働いている方もおられますし、子どものために一緒に宿題を見てくださっている方もいらっしゃいます。
共通しているのは “子どものために” という部分です。
保護者と話す機会があれば
「お母さん、○○ちゃんのために~~~がんばってくださっていますね」と声をかけましょう。
「そのおかげで△△できるようになっていますよ」や「それって○○ちゃんに、お母さんが頑張ってくれているの絶対伝わっていますよ」
など話を続けましょう。
子どものために頑張っている自分を評価されることはとても励みになります。様々な子育ての方法がありますが、保護者も頑張っているので、そこも評価することが良好な関係作りにおいて大切です。
子どもたちと下校に付き添ったり、地域を巡回したりしましょう。人間は何度も顔を合わせていると親近感を覚えるからです。
幼稚園や保育所では、なかなか大きなトラブルには発展しません。なぜだか分かりますか?
理由は、毎日お迎えのときに教員と保護者が顔を合わせる機会があるからです。そこで今日の出来事などの情報交換ができます。たとえ少し失敗していても直接お詫びすることで解決がスムーズです。
小学校に入るとそれがなくなるため、時々大きな問題に発展してしまいます。そうならないためにも積極的に足を使い、日頃から保護者と顔なじみになっておくとよいでしょう。
これができる人は、信頼関係を築くまでの時間が短いです。なぜなら相手も距離を縮めやすい雰囲気があるからです。
経験がありますよね。同じ初対面なのに、とっつきやすい人とそうでない人。一体何が違うのでしょうか? 実は
“笑顔”
“自己開示”
“共感”
これがポイントです。
子ども、保護者とつながらないことには教育は行えません。しっかりポイントをおさえ、早く信頼関係を築きましょう。
これは、どんなときにも大切と言えるでしょう。明るく笑顔の人は、親しみがわきますし好感が持てるからです。
接客業の仕事の方にとっては、基本中の基本。教師も同じです。仏頂面の先生には、子どもも寄って来ませんし、保護者も話しかけづらいです。
どんなときも明るく笑顔を意識して、対応できるようにしましょう。
相手のことが分かっていると、こちらのことも話しやすくなります。なぜなら相手がどんな人物か分かっているという安心感があるからです。安心感を与えなければ、教育は始まりません。
自分のことばかり話すことは、教師としては3流ですが自分のことを知ってもらうことはとても重要です。
要所要所に自分の話や経験を盛り込み、会話のネタとしましょう。
最重要ポイントの一つの “共感”です。これができなければ信頼関係を築くことは難しいでしょう。子どもも保護者も常に話を聴いてほしいからです。
相手が全て出し切るまで、こちらから口を挟むことは不要です。「うん、うん。」と相づちを打ったり、「分かります。そうですよね」と言ったりすることが大切です。話を終えると端的に話をまとめて聞き返してあげると “ちゃんと聴いてくれていた”という満足感を与えることができます。
聴き上手な教師はいい教師です。まずはしっかり共感して話を聴いてあげましょう。
教育には、家庭、地域の協力が絶対必要です。そのためにも早い段階から信頼関係を築きましょう。子どものために学校と家庭が協力することは多くの保護者も望んでいることだからです。
何か起こってから協力するのではなく、日頃からつながる意識を持ち保護者、地域とつながる行動を起こしましょう。
教育はみんなで取り組んでいくものです。良好な環境の中で子どもを育てていきたいですね。