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毎日働きながらの採用試験、非常にお疲れ様です。普通の人だったら、なかなか最後までやり切れませんよ。本当に頭が下がります。
でも、採用試験の後には、新しい生活が待っているのではないでしょうか? それを頑張る糧にして乗り切りましょう。
今回お伝えするのは、現職枠で受験するときに必ず聞かれる質問です。勘の鋭い方は、どんなことをしつもんされるのか察しがおつきではないでしょうか? そうです。
「どうしてこの自治体を受験されたのですか」
です。もちろん、理由は様々だと思いますが、「両親が高齢になってきたので仕方なく…」のような正直すぎる回答は避けましょう。
その辺りをどう回答するべきか、今回お伝えできればと思います。
まず質問です。あなたはどちらに該当しますか?
①何年か後でもいいから地元に帰ればいい。
②次年度100%転居が決まっている。(新築や結婚など)
①に該当された方。まだ時間的余裕があります。できれば一回で受かっておきたいですが、ダメだった場合は今の自治体で教諭を続けられますよね。なので、その点では安心です。
問題は②に該当された方です。土俵際です。縁起でもないですが、採用試験に落ちた場合、新しい自治体で講師として働くことになります。一旦退職という形です。
そうすると、退職金が支払われます。10年未満の勤続年数の場合、微々たるもの。10年以上でもだいたい「手取り×勤続年数弱」ほどです。
何が問題かというと、辞めることになったとしても退職金として一時的にお金はもらえます。しかし、一度講師を挟んで新しい自治体で教諭に戻れたとしても勤続年数は、またそこから再スタート。
大卒の22歳から60歳まで働いたとして、38年間。
38年間働き続けた退職金と、10年働いたのち1年講師、そして27年間勤続の退職金では大きく差が出ます。同じように働いているにもかかわらずです。おそらく、少なくとも400~500万ほど差が出るでしょう。
ですから、必死に頑張りましょう。ぼくも新築を建てたため②に該当していました。もしもダメだった場合は、自分だけ単身赴任して、もう1年かけて受験しようかと覚悟していたぐらいです。
それぐらい②の現職の先生にとっては、重大な採用試験です。老後の自分たちのためにもここが踏ん張りどきです。
面接のポイントとして、現職枠に限らず全体的に言えることは、
①表情や話し方はどうか
②仕事に対する意欲や情熱はどうか
③状況に応じた判断力はどうか
④専門的な指導力はあるかどうか
⑤教員としての資質や人間性はどうか
だと考えています。しかし、現職の先生の場合、求められているものはこれにプラスして、
「即戦力」
です。
どの自治体も、安心して子どもたちを任すことのできる先生が欲しいからです。
正直、自分も含め学生には若さではなかなか勝てません。しかし、経験なら負けることはまずないでしょう。今まで一生懸命働いてきた経験をいかして、「即戦力で力になれますアピール」を全力で行いましょう。
本音を言えば、みなさん様々な理由があると思います。
両親の介護、生まれ育った故郷に戻りたい、結婚でどうしても移らなければならない、新居を建てた…。
ただ面接で、本音をいったところで面接官には何も響かないのが悲しいところです。
受験するからには、みなさんどうしても受かりたいと思います。ですから、ここは建て前を準備しておきましょう。
「本音と建て前」
です。
建て前として重要なのは「教育に対する情熱」だと思います。
先ほどもお伝えしましたが、自治体は「すぐに教壇に立てる人材」を求めているからです。経験もあり、情熱も失っていない人ならどの自治体でも欲しがるでしょう。ですから、「情熱」を語りましょう。
具体的に言うと、ぼくは故郷に戻りたかったのでこう答えました。
「今回私が受験させて頂いた一番の(←コレ重要)理由は、自分が生まれ育った故郷で教育をしたいと考えたからです。
現在私が勤めている地域では、大きな祭りがあります。子どもたちは年中祭りの話をし、大人も祭りに力を入れています。10年間働くうちに私も祭りが好きになり、同時に地域で一つのことに熱意を注げる素晴らしさに気が付きました。
それを自分に置き換え、自分が教育で一番熱意を注げるのは何なのだろうと考えたとき、真っ先に思いついたのが地元の○○でした。故郷に戻り、私を育ててくれた地域に感謝し、教育という形で少しでも恩返しをしたいと思い、今回の受験へと至りました」
これを端的に言うと、
働いていくうちに地域で熱意を注げるって素晴らしいと気づいたよ。
↓
自分の能力を最大限に発揮できるのは地元だよ。
↓
地元愛があるよ。恩返ししたいよ。
というアピールの仕方です。
「一番の」といったのにも理由があります。二番め、三番めがあるというアピールです。本音は、新居、そして親の介護があるからです。
「一番ということは、他にも理由があるのですか?」
と聞かれたときは、
「両親を支えたいからです。自分をここまで育ててくれた両親には心から感謝しています。ですから、自分が両親の近い場所に移ることで、今度は両親を手助けしたいと考えています。そのことは、教育の場でも『家族の形、家族愛』として子どもたちにも伝えられるのではないかと思います」
と準備しておきました。
あくまでも、「教育のため」というスタンスの回答がいいのではないかと思います。
また結婚されて移られる方の場合は、始めに結婚が理由といってもいいと思います。
「今回、私が受験した理由は結婚によるためのものです。
現在私は、○○で教員をしていて子ども同士を繋げ合う授業づくりに自信があります。地域が違えば、子どもも違うので教育の方法も少しずつ変えていく必要があると思います。心機一転、△△で新しいことを吸収し、自分をさらに成長させ、子どもに教育で還元したい! と思い挑戦したいと考えました」
という感じはどうでしょう。
結婚で仕方なしではなく、
これを伝えるといいのではないでしょうか。
いずれにせよ「教育に対する情熱」これを伝えることが、好印象につながることは間違いありません。
本音だけではなく情熱を盛り込むと、あなたの場合どのようになるか考えてみてください。
実際に僕が現職枠で受験したとき、教育現場に関する質問は多かったです。
ぼくが受けた質問は、
「子どもが急に嘔吐したらどのように対応するか」
「どのようなクラス作りをしていきたいか」
「保護者とつながるためには、どのようなことをすればよいと考えるか」
「現在の教育現場での課題は何か」
などです。このあたりは、現職の先生であれば簡単な質問ではないでしょうか? シュミレーションしておくと大丈夫だと思います。
自治体によるのかもしれませんが、意外だったのが高校時代や大学時代の質問も多かったです。きっと、エントリーシート担当の面接官がいらっしゃったのだと思います。
正直今さら高校、大学時代のことが聞かれると思っていなかったので準備していませんでした…。ですが、「当時の経験は今の職業とこういう部分でつながっています。このように経験が活きています」と回答しました。
現職枠だからといって、その辺をおろそかにしていると質問されることもありますので、エントリーシートに記載したことは、昔のことでも回答できるように準備しておくことが望ましいでしょう。
現職の先生は、お仕事をされながらなので本当に大変だと思います。しかし今現在、真面目にやっていることを面接官に熱意を持って伝えれば大丈夫です。
人間は経験を積んでくると、小手先で何とかしようとする傾向にあります。でも、相手の心を動かすのは「熱意」です。初任の頃に持っていた熱意、忘れがちではありませんか? 「教育に対する自分の熱意」を再確認して、熱い面接を行ってください。そうすれば必ず一発で採用されること間違いなしです。
心が少しでも熱くなった方は、今のうちにノートに熱意を書きだしてくださいね。